アーティストブログリレー

ARTIST BLOG RELAY

8〜12月の撮影

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ご無沙汰しております。
5ヶ月ぶりのブログですが、それに関してはパー○ンが代弁してくれました。
  
タイムリーに展覧会の宣伝なんかしようとも思っていましたが、やっとこ記事を書く頃には展示は軒並み終わって年末ですね。良いお年を。。。
  
前回のブログで書きましたが、我々の成果物をようやくまとめだしております。
たまに更新しますのでたまに見て下さい。


SANDWICH GRAPHIC
http://sandwich-cpca.net/graphic/

 
 
 
 
鉄道芸術祭vol.1 西野トラベラーズ 行き先はどこだ?
西野達
アートエリアB1
 
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京阪協力で行われた一連の鉄道芸術祭、その撮影をしています。また広報物の作成、展示写真作品の撮影協力も我々SANDWICH GRAPHICで行っております。
西野達さんは公共空間の彫像や建造物を仮の構造物で囲い、ホテル等別の私的な空間に変容させる作品を数多く作られている作家さんです。今回の展示では20m近くの西野路線図や街灯、ネカフェなどが展示されており、公共空間の異化、という点は少なくありましたが、その中では異質なアップルマンの彫刻が目を引きます。
倒れた冷蔵庫上でリンゴを人型に積み重ね、頭頂部からリンゴジュースが吹き出続けるという彫刻作品です。上記の綿密な大型プロジェクトしか知らなかったので初見はなんだこれ?でしたが、あまりのアホらしさとノリが西野さんの通奏低音と撮影を重ね認識させられました。
この作品は都合3回、撮影に行きました。以前もプロジェクトの記録撮影にカメラマン三人に撮らせ、その中から一番良いものを自身の記録写真にしたそうです。様々な作家と仕事をしてきましたが、そんなこだわりを持っている人に会ったのは初めてです。展示や設置にも相当な時間をかけトライエラーを繰り返されていますが、突飛なアイデアとその実行力、そして質の管理を目の当たりにし、仕事をご一緒出来て本当に勉強になりました。
     
 
CHANNEL 2 大西伸明 / イチハラヒロコ
兵庫県立美術館
 
 
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9月〜10月と兵庫県美での撮影が続きました。
 
林勇気さんから始まった若手支援の展覧会、CHANNEL2という企画でして、前回に引き続き撮影させていただきました。
 
大西さんはある対象(鮭の切り身、脚立、事故車など)を型取り→成形した樹脂に本物の質感の様に着色した彫刻作品で知られている作家です。意図的に塗り残され途中から透明なFRP素材が透けている鮭の切り身の作品(長いね)を10年くらい前に見た衝撃を今でも覚えています。
今展示の空間には事故車の一部、コンクリブロックの破片、しぼんだゴムボール、ブルーシート、壊れた石膏像、など、上プロセスを経た作品がそれぞれ二つずつ、細かな破片も一つ残らず同じ(ような)ものが設置してあります。
ところで、僕は作品撮影の際、特に空間を撮影した後はコンセントや壁の汚れ、非常灯などはPhotoshop上で消します。素子の汚れなども必ずチェックしていますからその際に一緒に消します。消えにくいものもなんとか消します。
ある空間である作品を観る際にはコンセントなんか見えていませんが、写真に撮れば嫌でも残りますし目立ちます。記憶には残らないもの、他にも壁の継ぎ目、監視カメラ、ドアノブ、などは消します。作品にとってノイズになるものは無い方が良いという判断です。納品した方、気づいていらっしゃるか分かりませんがそうしています。
あるがまま、よりも作品の印象、あるべき姿、を優先しています。が、操作する事に不安や罪悪感が無い訳ではありません、いつも抱えています。ストレートであるべき、というのも何か違うし、ではあるべき姿や最適解はなんだろう、と。
で、大西さんの記録写真ではそういった操作をあまり加えませんでした。さすがに目立つ汚れは消しましたが、コンセント、時計、などいつもなら消しているノイズをそのままにしています。精巧なコピー品が対で置いてある異様な空間、周りにある物もなんとなく疑わしく見える印象をそのままにしたかった訳です。この部屋にはステンレス製の流し台があり、僕は以前この場所を撮影してその事を知っていますが、訪れた人の中にはこれも作品ではないか、と思った方も居た様です。
  
 
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イチハラヒロコさんの作品ですがこれも記録し難い。印象的な言葉を(主に男女間の心象を表した単文)ゴシック体で、縦組のある形式に配置し、それを様々な媒体で発表されている作家です。ご存知の方は思い浮かべる時には言葉だけではなく白地にモリサワのゴシック体のビジュアルがセットである事と思います。
今回は美術館外のバナー、等身大の立方体五面への出力、併設カフェでのトレーのシート、などでの展示ですが設置されたものを撮っただけでは面白さを伝えきれないように思います。撮ってみたものがそう思えましたので、鑑賞者や通過する人が上手く作品に絡むまでひたすら待ちました。特に子どもや恋人同士をひたすら待ちながら。写る人が様々で言葉の印象が全然変わり、悪くすれば恣意的にもなり、なかなかにその判断、基準は難しい。
イチハラさんの作品写真で、個人的に印象に残っているのは、子ども(イギリス人の女の子だったか)が「万引きするで」という作品の紙袋を持っている写真です。初回の横浜トリエンナーレ広報にも使用されていたと思うのですが、何気ないスナップながら言語差を逆手にとりビジュアルもかつ作品情報も伝わる良い作品写真だと思っています。今回、ここまで印象的に撮れたかどうか、最適解はいつも霧中です。


REFLEXIONEN ひかり いろ かたち
神戸ビエンナーレ2011
 
 
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残念な事に会期中に元永定正さんが亡くなられました。外部展示は当初のプランだと写真のさらに上空、館と館の間を通す予定だったそうですが、強風と設置運営困難の為変更されたそうです。スケールの大きなその作品も見てみたく、また写真を気にいっていただけるかどうか気になっていましたが、撮影して数日後、ご覧になられる前の訃報でした。
僕は一度講演でお話を聞いたくらいで元永さんの何を知っている訳でもありませんが、印象に残っているのは吉原治郎の誰もやっていない事をやれ、と言う事を講演中何度も言われた事を覚えています。小骨の様にいつもひっかかっている言葉です。
 
 
榎忠 展「美術館を野生化する」
兵庫県立美術館

 
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つづいてこれも同時開催でしたが榎さんのこれまでで最大規模の個展。これはボスの豊永さんのアシスタントでの撮影でした。写真は恒例の祝砲パフォーマンス、大轟音の直後です。強烈な爆裂音も展示された膨大な鉄素材、圧倒されます。
上のRIFLECTIONENは後藤哲也さん、榎さんはUMA/design farmデザインで記録集が出ています。こちらも是非ご覧いただければと思います。

何度も兵庫県美に足を運びましたが、入り組んで入り組んで、閉館後のバックヤードは日本屈指の迷路建築です。学芸の方が居なければ遭難していたでしょう。
  
  
 
「自画大絶賛(仮)」押忍!手芸部と豊嶋秀樹
21世紀美術館

   
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建築としては対照的な21世紀美術館、規模が違いますが、しかし重さを感じる事がなく開放的で撮っていて楽しい。先が見えて迷う事もない。事務所で少し作業させてもらいましたがここで働くのはいいですね。 
押忍!手芸部は、部長さんこと石澤さんの膨大な製作物の展示と、部長さん自身が会期中に制作をしており(部活と言うそうです)、それがそのまま展示の一部になっています。手芸部の説明はこちらでどうぞ
  
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また豊嶋秀樹さんがタイトルに冠してありますが、これが素晴らしい。展示構成はとても品が良く、ロス無く手芸部の魅力を伝えている様に思います。来場者にはおそらく意識される事が無いでしょうが、エゴの見えない関わり方、支え方、それは分野は違うけど記録撮影の手本の様に考えさせられます。
 
僕は撮影をしますができた写真は僕の写真作品でもないし、守る様なスタイルもあんまりない。ニュートラルに撮るというのも何か逃げの様に感じる。作品を伝える最適解とはなんであるか、仕事を続ける限りつきまとうし、死ぬまで悩むんだろうなと思います。
展覧会は3月20日まで開催中です。最終週には部長さんの部活も観る事ができますので是非。その頃には記録集も出ている筈です。こちらも是非ご高覧をよろしくお願いします。
 
また同時開催中の仏人作家、モニーク・フリードマンの展示もお勧めです。

こちらの展示はSANDWICH GRAPHICボスの豊永さんが撮影/デザイン、赤々舎さん出版でカタログを作成しています。
展示、作品も是非観て欲しいのですが、あわせてカタログを観ていただきたい。まだ色校途中ですが、今まで見て来た展覧会本の中で最高に良い本の一つですひいき目無しにマジで。展示作品数は多くなく、一作品一作品、一空間をじっくり見せる展示です。数少ない要素を建築空間と併せ表情豊かに引き出した撮影/デザインです。
 
作品の表層をニュートラルに記録する事でもなく、また安直にトリッキーな撮り方/見せ方を提案するでもなく、作品を理解しその魅力を最大限に引き出し、様々な側面を限られた紙面で伝える。前述した豊嶋さんの仕事にも通じる事であると思いますが、この部分は大事に、より一層目指していきたい。
 
てな感じで諸々と長々とすみません。では来年もどうぞよろしくお願いします。

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