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木下闇とか、いろいろ

ほんの少しずつですが、晩には秋の気配を感じられるような風が吹き始めてきましたね。季節の変わり目はわくわくするところがあります。


京都の場合ではやはり冬の終わりと夏の終わりが好きな季節です。
故郷の北海道であれば冬の始まりも大好きなのですが、京都の冬は正直なれません。


秋の気配が、とは言ったものの、日中はうちのスタジオGURAは灼熱のサウナ状態、半端にクーラーを入れたところで効果があるとも思われず、またそのような予算もとてもありませんので、今はとにかく冬場も快適に、ひいては来年の夏も制作が進むよう、自身のアトリエスペースをある程度閉じた、空調可能な空間にする為の造作を時間を見つけてやっております。


北国出身の僕には酷暑に身をさらし撮影をするのはあまりにもハードルが高いと、この夏は思い知らされました。というか今の京都の夏は、もしクーラーが無ければ労働等出来る環境に無いと真剣に思います。
木陰がふんだんにあった昔ならいざ知らず、今の気候と都市環境を考えるとシエスタを導入するか、家は植物の生えた地中を利用して作るべきじゃ無いかと本気で考えます。そうすりゃクーラー無くせんじゃないかと。理想はどう考えてもクーラー無しの生活なのですが。


ただ、この酷暑、凶暴な太陽と京都の景観が作り出すイメージにも一つ素敵だなあと思う瞬間があったりします。太陽が南中高度に入る午後、すべての物体の影の存在感が一番薄くなる時間帯では、まるで世界が巨大な、強力な蛍光灯に照らし出されて、個々の物体の存在がなにか丸裸に暴かれて、文字通り白日の下にさらされている様に見える事があります。木々の多く、アニミズムの国と言われる日本においても、時にこのような、まるで砂漠に生まれた強烈な神性、ユダヤ教に見られるような怒れる神の存在に近いものが見える事は、それなりに興味深いなと思うのです。(多分ここら辺の話は和辻哲郎を読めば良いのかな?ちょっと記憶が曖昧ですが。)

あるいは、この国が本当に精神的に砂漠化して行くと言う事かもしれません、そう考えると怖いですね。
木々が多く茂っていたかつての国土であれば、強烈な太陽に比例して木下闇も深く、ひんやりと豊かだったのだろうと思いますから。そこに暮らしていた人間と、今の都市景観に生きる人間の精神性は、段々と乖離してゆく運命だと思います。それが文明と言うものだと言えばそれまでなのですが、文明化の行き着く均一化に危機感を持っているのは決して僕一人ではないのも事実なので、今が考えどころの時代ですね。


話は変わりますが、本当にこのアトリエにいると、生きると言う事はなんと必死な事なのだと考えさせられます。そして制作する為の環境と言うものから作って行くと言う事をしていると、昔は感じていた、表現活動と言うものが他の社会的に必要とされる産業と比較して重要ではないのではないか、というような引け目や劣等感等がうまく自分の中に消化されてゆくのが感じられます。


僕個人としては、リアリティと言う感覚は結局は人間の生存に関わる部分からしか生まれてこない、と言う考えを持っています。それはそして至ってシンプルなものだと言う気がします。


『あなたは生きていますか?』という問いに間髪入れずに『はい』と答えられるかどうか、とでも言えば良いのでしょうか。この一年半の作家活動とスタジオでの活動を通して、それだけは言える様になったのは間違いありません。


まあこれは作家個人のリアリティの在り方じゃないかと言われるかもしれませんが、そう言ったリアリティは必ず作品にも反映されるものだと思っています。


さて、GURAには今、『わくわく京都』に参加されている作家さんたちがレジデンス滞在しております。レジデンスと言う横文字にするとカッコいいのですが、とてもそんなにいい環境を僕たちが提供出来ている訳ではありません。
上記の様に灼熱の環境のなかで、ベッドも人数分ある訳ではなく、ソファーに布団も無く寝ていると言うのか今の現状。申し訳無い限りですが、そんななかでたくましく寝起きされてる方々には本当に頭が下がる思いです。


作家と言うものはノマドたるべき、また日本の言葉で言えば、もしかしたらこれは差別用語になってしまう扱いの難しい言葉であるかもしれませんが、河原者たるべき、みたいな憧れにも似た感覚が僕にはあります。(もちろん遊牧の民と日本の河原者を同一には見れないかもしれません。サンカとかミツクリの方がニュアンス的に近いのかも)
わくわくの作家さんたちはレジデンスを渡り歩いているような方々も結構いるらしく、それを地で行っているような作家さん達の姿を間近に見られるのは本当に良い経験であると思います。

8月が終われば皆さんまたどこかへ行かれるのだと考えると、寂しい気がしますが、僕もこの先どこで何をしているか、、、わからないのが本当だと言う気もします。


つらつらと、おもうことをば。失礼します。

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