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ラストコミュニケーション 2

先日、お盆休みに入る前に一足先に実家に帰ることにしました。
といっても今は作品の制作のため仕事はほとんどしていませんのでお盆休みはあまり関係ありません。  とても贅沢な時間をすごしております。

京都と違い、僕の実家の呉市(広島県)は人が少なく昼間にも関わらずとても静かです。散歩していてもすれ違う人がほとんどいません。コンビニも駅の近くに数軒あるくらいです。
そんな街で僕は地元の友達と飲みに行くことがとても楽しみです。
小、中学校からの友達は今になっても全ぜん変わらず、会うと一瞬にして昔のあの頃にもどったような気持ちになってしまいます。
唯一変わったところは伴侶ができ家族を養っているところでしょうか。もちろん僕と同じように独身の人もいますが。
しかしもうみんな今年で30歳です。 おじさんです。

そんな友達に会うのが楽しみです。


そして今回帰郷した目的はもう一つあります。
このあいだ事故で亡くなった矢野くんに会うことです。

実家につくと早速いろいろな友達に連絡をとり矢野くんの家の住所を調べました。
そして何とか住所や連絡先などを確認することができました。
少し緊張しましたが、家の方と連絡をとり次の日に訪問させて頂くことになりました。

詳しい道のりが分からなかったため、何となくパソコンで住所を検索するとグーグルアースという地図がでてきました。
はじめは宇宙の画面ですが、マウスで動かすとだんだん日本に近づき、そして広島から呉市、そして矢野くんの家の上までいっきにズームインしていきました。
しかも更にクリックすると家の近くの自動販売機や海の景色までも実写で確認することができました。時代は進んでいるようです。

次の日、駅からバスで1時間くらいかけ矢野くんの家に向かいました。海沿いの道路をフェリーと並走しながら走るバスの景色はとても穏やかでした。
そして昨日パソコンで見た風景を確認してバスを降りました。
そこから10分程あるいたところにで矢野くんの母が迎えてくれました。
近くまで来て迷ったので電話をすると、「後ろを向いてください!」と言われ振り向くとお母さんでした。

家に案内され階段をあがった所に矢野くんの部屋がありました。綺麗になった部屋には仏壇と遺影が飾ってありました。

そして僕はそれを見た瞬間に立ち止まってしまいました。体がかたまり遺影の矢野くんと目があったまま少しのあいだ動けなくなりました。まるでお葬式のコントでもやっているかのような新品の遺影は僕に現実を教えてくれました。涙が止まりませんでした。

そのあとお茶を頂き少し頭が飽和状態になったままでしたが、矢野くんの思い出をお母さんにお話しました。
最後に矢野くんと飲んだ時に音楽の話で盛り上がった事もお話しました。そしてその時に矢野くんが僕のiPodでずっと聞いていた音楽のCDを持って来ていたのでお渡ししました。

話の途中で度々無言が続き、その度にお母さんと僕は矢野くんの遺影を眺め何度もうなずきました。


映画「おくりびと」のイメージソングでAIさんという歌手の歌詞のなかで

「愛は刃物より胸につきささる」


という表現があります。
このやりきれない気持ちを代弁してくれるこの言葉はここ最近、僕の耳から離れません。


こんな暗い話の中、今夜歌います。
エレファントカシマシで
俺たちの明日

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