
1月の撮影

泉洋平
「トけゆくシカク」
studio 90
撮影日 1月13日
ここしばらくstudio 90のギャラリー壁面は黒いままで、今回で3展示目だ。少しずつ塗り替えているそうなので、手を抜いているわけではないだろう(これは失敬)。影響し合うこともあるだろうが、自身の展示にフィードバックするイメージを持つ事、実験的なスペースだし気軽に実行もできるのだろう。ムラの無い黒い塗装はプロにお願いする必要があるので、白基調の一般的なギャラリーで1~2週間の展示のためには金と手間がかかりすぎる。誰を気にする事なく(少なくとも内部では)、容易に好きなことができるのが作家スタジオの利点で、部外者からしたら壁の色一つでもありがたくうらやましい環境だと思える。
泉洋平君は錯視を利用した空間作品を制作している作家さんで、& ARTにも掲載されている田中真吾君、森川穣君とともにstudio 90を運営している。今回の作品は、暗い空間に張り巡らされた糸に規則的に白い塗装がしてあり全体を観るとほの明るい立方体が出現するというものだ。
まず最初が肝心で、暗順応する前の状態が一番いい。唐突に真っ暗な空間へ連れて行かれると何も見えない。少したつと白い糸のラインがあることに気づくが、背景は変わらず真っ暗で空間の奥行きもわからず、また規則的な糸のおかげで立体視の状態になりさらに距離感がわからず、これが気持ちがわるくてとても面白い。慣れてくるにつれ、全体が見渡せ、細い何千本もの糸が見せかけのキューブを作っていることに気づく。おおむね空間が分かるほど暗さに慣れたら、その気持ちの悪い面白い状態も終わり糸の存在感を楽しむ寸法だ。
視覚トリックを使用した作品は三次元の空間を見せかけの二次元に変換し、そのギャップや種明かしも含めて半ば強要された楽しさを了解しつつ楽しむのが一般的には吉だが、人間の生理を発露させるような空間や数学的に凝りに凝りまくった作品をもっと観てみたい。泉君の今回の作品は実物の空間の迫力と格好良さと労力に圧倒されたが、アミューズメント、テーマパークも迫力と労力を夢と快感に変換する装置だ。それが目標ではない筈だ、とも思う。その差をどこに見いだせるだろうか。
複写をのぞいて、作品を写真に撮ることは何かスペクタクルに荷担している様な気がする。フラットに単なるプレゼンテーションとして齟齬なく取れればいいが、過剰に映る場合もあり、意図してそうする事も、意図せずそうなる場合もある。なんにせよ、映像か写真か言葉、作品を残すにはこの3つがほとんどで、どれも作品を語るには不足している。
ええと、たいした結論もありません。

& ARTに近日掲載予定の木内貴志さんの取材に保育園へ行ってきた。
授業、保育園的に言えば、おえかきのじかんを拝見させてもらった。幼児慣れしていないが、同じく慣れていないインタビューアーと教室の隅に突っ立ったまま、園児たちの好奇の目をかわしつつ木内さんの仕事ぶりを拝見してきた。「カメラマンなのになんでとらないんですか」と園児の一人にえらく丁寧な口調でさぼりを指摘されてしまった。おじさんにはおじさんの都合があるんだよ。園児たちの質問にも応対したのだが我々の言葉はまったくと言っていいほど通らない。我々の言葉には興味がないんだろう、素無視はつらい。しゃべれども反応は希薄だ。僕ももう一人も育児の自身は確実に失せた気がする。
おえかきのお題は鬼、豆まき前に書いておきましょうということだ。木内さんのお手本は普通の鬼だったが、写真の彼女の鬼は禍々しさがよく表れていて、仕上げに血のような赤を塗った時にはインタビューアーと二人でうなったものだ。
ブログはまじめに書こうと思っていましたが、今回はなんというかすみません。
2010/02/01
先日はお世話になりました。
お気に召されるかどうかですが、どうぞお楽しみに。
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木内貴志
2010/01/27
先日はお疲れさまでした。
どんな感じで仕上がるか?楽しみにしてます。
園児の絵は、いつも見本の僕の絵を軽く凌駕していきます。
面白いけど、自信なくしますわ。