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美術家のつんどく生活

今日はとある美術家の読書のことを。(て、わたくしの事ですが)


勉強のためなどと言って読書空間に引きこもることの出来る「本」というものは、音楽なんかと同じくプラベイベートゾーンを作ることの出来るすごく大切なメディアですね。
持ち運べて、好きな時に取り出せて、またそっとしまっておけるもの。
本とは、まさに美術家も羨む、コンパクトなミクロコスモスです。


言葉や音を視覚化した文字ですが、電子にのせた活字を追うよりも、紙の上で目を転がすことは独特の味わいがあるものです。
ところで、言葉は音を伴うので、文字を読む時もわたしたちの声帯の感覚は反応しているそうです。
目が疲れている時と同様に、喉を痛めている時の読書は、よろしくないとか。


読書には人それぞれいろんな進め方がありますが、わたしの場合は〈積ん読〉にして〈併読〉。
コンディションに合わせて数冊の中から手に取ります。
出掛ける時は文庫や小さい本を携えて、辞書のいるものや机に広げる重い本は家で、などの理由もあります。
もちろん一気読みのものもあれば、なかなか進まず1ヶ月くらい持っているものもありちょっとしか理解出来なかったのでは? ということもあります。しかし「9割も理解できたら、そんなもん本とちゃう」という人もいるくらいなので(笑)ここは安心しておきます。


 写真:ちょっと前の自室の積ん読コーナーです。


book+.jpg

実際には積んどくと手に取りにくいので、並べとくわけですが、いくつかの自分があっていろいろの興味や心の状態があり、読書こそそんな無意識の自分を垣間見せてくれるのだと思います。ちょっと前に読み終わった本や、再読の本も思い出し事の為にまだ並べておきます。実際の併読は常時だいたい3?5冊くらいです。背表紙を並べると今の自分が分りそうでちょっと恐いのと、それと楽しみと両方です。


いくつかの読書でそれがいつか網の目のように繋がり絡まることが、読書の醍醐味の一つと思いますが、面白いことにそれぞれアプローチの違う興味から始めた併読の書物が偶然に近寄ってくることもあります。茨のように眼前で絡み合うのは驚くべきことですが、もともと何か自分で選び取っていたか、シンクロニシティと同様、そうあって欲しいという自分の願望の現れなのかもしれません。


映像や空間を作るとき、わたしはいろんな感覚について思いをめぐらそうとします。
本を読むことはもちろん感覚のエクササイズになる面があります。
作品に本のモチーフが登場することもあります。
それと今年になって1冊、本を作ってみました。
本というメディアに何となく聖俗合わせた敬意を持っています。


 写真:ビデオ作品〈カランドリエ〉より、ビデオグラフ


calendrier.jpg

また、紙に手を触れることも大切なことと思っています。
紙についてはまた今度にでも。。。

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