M : そうですね。大自然から、身近な街の風景の中にあるものまで、どのような自然も好きで影響を受けています。例えば僕は自宅が京都御苑から近いのですが、あそこに行くと視界に飛び込んでくるものは「空と地面と木」といったすごくシンプルなものじゃないですか。そういったところに身を置くと、自分自身もシンプルな気持ちになれますし、調和のとれた状態に近い感覚になります。もちろん自然だけではなく、人との関わりなど、日常のすべてのことから影響は受けています。
M : 『Three Times』というアルバムをリリースした時に“癒し系”ということを言われたのですが、それはすごく嫌でしたね。「毒がある」もしくは「何か心に引っかかる」ということは常に意識しているので、むしろ“癒し”というのは逆で、聞いた人の心に色々なものがひっかかってほしいと思っています。また、作っている時に没頭しすぎてしまうと、フェーダーのメモリ1mmで2時間くらい悩んだりするのですが、次の朝起きて目いっぱいメモリを上げたりして、結局意味がなかったとかいうこともしばしばあるんです(笑)。そういったことがあると、初動に準じた作り方をしなければいけないということも考えますね。
M : 僕もそれはすごく考えているんです。最近では「きれい過ぎるのならばさらにキレイにしてやれ」とも思っています。「きれいすぎる」ということも、突き抜けると毒になると思うので、何か付きつめることによってそういったものが出たら面白いというのは考えています。ただ、ライブなどに来てくれた人に、単純に楽しんでもらいたいという気持ちは忘れないようにしています。
M : 世間に流されず、心身で自分のやりたいことを表現している人が多いと思います。身近に感じられるんですけど、すごい世界観を持った人が多く、大阪や神戸にはない独自の不思議な雰囲気はあると思います。あとは、「この場でしかできないイベント」があちらこちらで行われていたりしますよね。法然院などのお寺もそうですが、決められた場所でなく、地の利を生かしながら、自分たちで場所を探し出すことで「京都のこの場所でやる意義」みたいなものを生み出しているイベントは多いんじゃないでしょうか。
& : 生活していて感じる京都の街の魅力はなんでしょうか。
M : 大きなアパレルショップの前にお寺があったり、ファッションビルのすぐ近くに呉服屋があったりなど、いい意味での“カオティックな狭さ”というのは魅力的ですね。色々な文化が狭い場所に混在していることが、独特な磁場を生んでいる気がします。地元が大阪の新興住宅地で、梅田のベッドタウン的な役割を持った街だったので、何もない街だったんですよ。そういうところにずっといたので、京都は歩いているだけで楽しいですね。色々と感じるものは多い場所だと思います。
& : 村中さんはどのような人に演奏を聴いてほしいですか。
M : 特に“こういう人”というのはなくて、すべての人ですね。生まれる前の子どもから死んだ後の霊体まで聴いてほしいです(笑)。例えばライブハウスだけでやっていると年齢層など、聴く人が限定されてしまうので、できれば色々な場所でやりたいと思っています。
& : 今までどういう場所で演奏したことがありますか。
M : ライブハウス、クラブはもちろん、カフェ、ギャラリー、多目的ホール、シンポジウムのオープニングみたいたいなこともやったことあります。坂道でもやりました(笑)。
& : 坂道ですか(笑)。
M : 坂道にアンプを置いて、“双子の未亡人”という京都のダンス・ユニットのデビュー公演で共演しました。野外の坂道で踊るという内容だったのですが、僕も坂道で斜めになってギターを弾きました(笑)。双子の未亡人さんとはそれ以降も共演させていただいています。