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足田メロウ

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INTERVIEW WITH ASHIDA MELLOW 2009.09.18

「これキレイ」と思ったらそこから描きはじめるような感じ

&ART(以下、&) : 足田メロウという名前で活動し始めたのはいつ頃からでしょうか。
無題

無題 2006

足田メロウ(以下、A) : いつからですかね・・・。年代は覚えていないけれど、昔友達と二人でインドネシアへ旅行に行った時に、ビザが切れるから一旦国外に出ないといけなくなって、シンガポールに行ったんですね。すぐ戻るつもりだったのが、トラブルがあって、何日かシンガポールに滞在しなければならなくなったのですが、インドネシアに比べてシンガポールは物価がすごく高いんですよ。だからインドネシアと同じ感覚で宿をとったりしたら、お金がすぐなくなるし、「どうしよう」と思って・・・。友達と相談しながら晩御飯を食べていたら、僕らが貧乏そうに見えたのか、たまたまそこにいたパキスタン人の旅行者に「一緒に部屋を借りてシェアしないか」と声をかけられたんです。それで一緒に泊まることになったんですが、その晩喋っている時に、僕の話し方がゆっくりだったからか、「お前はすごいメロウなやつだ」という話になって、「メロウのワールドカップがあったらお前がゴールドメダリストだ」と言われて(笑)
それからメロウっていいなと思って、帰国した後からメロウという名前を使いはじめましたね。
& : そんなエピソードがあったんですね(笑)。本名でやっていた頃も含めると、かなり長く活動されていると思いますが、絵はいつから描かれていますか?
A : 子供の頃から絵を書くのは好きだったんですが、本格的に絵を描こうと思ったのが高校卒業と同時ですね。当時は学校の勉強を全然していなかったので「大学進学も無理だろう」となっていたのに、就職も決まっていなくて、「どうしようかな」と思っていたときに、親父に呼び出されて、「どうするのか」という話をされたので「フリーターにでもなろうかな」といったら怒られて(笑)。「フリーターやるにしてもなにかしろ」と言われたので、絵を続けようということで京都に来ました。
& : 時期によって作風が大きく変わっていますが、一目見るとメロウさんの絵だとわかりますよね。
無題

無題 2008

A : そう言ってもらえるから、僕も思い切って変えられるみたいなところはあります。色々な絵を描いておいたら、自分の引き出しが増えるわけですから、それを例えばまた次の段階では、「このときの画風とこのときの画風を足して2で割ったような作品にしよう」とかそういう広げ方はできるかなと考えています。

& : 変化していく中でも、メロウさんの絵は一貫して筆あとの見えるようなタッチを多用していますよね。
A : 意識はしているわけではないですが、いつもすごく早く描くからかもしれないですね。僕の描き方は、描く前から構図のイメージがあるわけじゃなくて、初めに筆でババっと絵の具を置いてみて、腕に見えると思ったらそこから腕を描きはじめたりするので。1枚描くのに長くても30分くらいなんですけど、1枚につき、平均して20枚は失敗しているんです。
& : 描きこんでいるわけじゃなくても、例えば水彩の色の重なり方などは、実際見ないと印刷などでは伝わらない繊細さがありますよね。
A : 僕もどうやっているのかわからないんです(笑)。とりあえず絵の具を紙の上に置いてみて、その上からもう一枚紙をバンっとおいて、ぐちゃぐちゃにして、めくってみて、「これキレイ」と思ったらそこから描きはじめるような感じですね。
& : 現在進行中のPlanetica(プラネティカ)のシリーズはカワグチタケシさんの同名の詩から受けたインスピレーションをもとに制作されているそうですね。
夏にむかう空

夏にむかう空 2009

A : カワグチさんの詩を読むと、景色が見えてきたり、イメージが湧いてきたりするので、それまでも展覧会前などの「これから描くぞ」というときに読んで気分を盛り上げていたのですが、京都のneutronで「Planetica」という個展をやらせていただいたときに、なんかカチッときたんですよね。「これか」みたいな(笑)。それから画風も変わりましたね。それとともに、平面作品だけじゃ物足りなくなってきて、イベントもやったりしています。

& : 今年の6月に保育園で、Planeticaのイベントをやられたそうですね。
A : そのときはお芝居仕立てにしました。僕が台本を作ったのですが、台本作る人の特権で、自分を正義の味方にして(笑)。普通のお芝居ならば、僕らがやる必要もないですし、ダンサーや、ミュージシャンも、普段はアートの現場でしっかり活動している人達なので、本気の動きや、本気の音も随所に織り交ぜました。僕は大きな画面に絵を描いたのですが、せっかくなので子供たちにも描く時間を一時間くらいとって一緒に作って・・・すごく楽しかったですね。でも、悪役を頼んだ人の、悪役っぷりが怖すぎて、子どもたちが泣き叫んで大変なことになっていました(笑)。出演者が一番喜んでいたかもしれませんね。
& : 楽しそうですね(笑)。企画はどのようにして立ち上がったのですか。
A : イベントは僕の子どもが通っている保育園でやったのですが、僕の子どもが普段Planeticaのイベントも見にきたりとかすることもあって、保育園の先生にイベントの話をしたらしく、僕が保育園に迎えに行ったときにイベントのことを聞かれたので説明したんですが、全然伝わらなかったので「なんだったらやりましょうか」と言ったら、「ぜひやってください」という流れになったんです(笑)。
  

京都について - 刺激をもらえる人がその辺にごろごろいる

& : 新風館の垂れ幕や、sarasaやCAFE KOCSIの壁画、UrBANGUILDのマンスリーなど、僕が行く所にはいつもメロウさんの絵があって、お会いしたことがないときから、作品は知っていました。京都で面白いこと探している人は、共通の認識を持っている人は多いのではないでしょうか。
A : わりと街角にありますもんね。気がつけばと言う感じですが。

& : 長く京都にお住まいですが、メロウさんにとって京都は活動しやすい場所ですか。
A : 京都に住んで18年目くらいですが、やりやすいから他に出て行かないというのはありますね。
& : そのあたりが京都で活動している理由でしょうか。
A : そうですね、街の狭さのわりには色々なことをやってる人がいるので、出会いやすいとは思います。絵を描いているけど、ミュージシャン、詩人、ダンサーなどに出会えたりもするので。制作するときに誰かの「絵を見てインスピレーションを受ける」というパターンもあるんですが、そういうこととは別に、もっと広いところからいい影響を与えてもらっているのじゃないでしょうか。刺激をもらえる人がその辺にごろごろいるという意味では居心地がいいんでしょうね。

& : 現在の京都で行われているアートのイベントだったり、アーティストについてどのような印象を持っていますか。
A : 僕は京都以外に出たことがなくて、ここしか知らないというようなところもあるのですが、京都の中でも面白いイベントもたくさんありますし、面白いアーティストがたくさんいますし、地盤としては新しい人が育つような環境はあるのかなと思いますね。
足田メロウさん

社会について - どれだけ頑張るかで、それに見合った人と出会えたりする

& : メロウさんは「描く」ことで積極的に人とコミュニケーションしようとしていますよね。
A : 僕は小さい頃から引っ込み思案で、体も小さかったのですが、ドラえもんの絵などは人よりうまく描けたんです。「絵を描く」というところでは友達と対等か、それ以上で接することができるたので、それから自分が世の中と対等に関わる手段として、絵を描いてきたという意識はありますね。
足田メロウさん

& : では子どもころから「絵を通してコミュニケーション」するという意識は変わっていませんか。
A : そうですね。こっちがどれだけ頑張るかで、それに見合った人と出会えたりするので、その辺は素敵だなと思います。
& : メロウさんにとって「社会」とはどのようなものでしょうか。
A : 自分が住みやすい社会というのは、自分が体を向けて動いていかないと見えてこないんだろうなということは考えていますね。保育園でイベントをやったときも、お芝居仕立てにしつつも、小さい子に本気のアートに触れてもらって記憶の片隅に残せたとしたら、その子たちが大きくなったときに、アートの道に進むかもしれないし、そうでなかったとしても、そういうことを楽しむ人が増えれば、僕らにとってもうちょっと住みやすい社会になると思いますね。

今後の活動について - あまり無理せずに正直な絵を描き続けたいなと思いますね

& : 今後どのように自分の作品を展開していきたいですか。
A : とりあえず自分がここまで絵を描き続けてきて、描くことが体に染み込んでいるので、描き続けていくための環境づくりはしたいとは考えています。けれど、それ以上に何かというのはあまり考えていないです。あまり無理せずに正直な絵を描き続けたいなと思いますね。ちゃんと向き合って描き続けられていたら、後はなるようになるかなと(笑)。

& : 今後の展示のご予定をお聞かせください。
来年の5月にneutronで個展があります。あとは草木染の染色作家の方と2人でTシャツを作って、Tシャツ展をしようと思っています。


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